Author: admin_gekidanu

野外に放置した灯体は錆びる

こんにちは。照明の電気マグロです。『インディゴチルドレン』終演後初の投稿です。ご来場頂いた方、配信をご覧いただいた方、これからデータ版でご覧になる方、ありがとうございます。




ところで、野外公演って照明の雨対策大丈夫なの?と毎回聞かれます。劇団内部からも聞かれます。




結論としては、今年初めて錆びました。




塗装が剥げて錆びてしまったベビースポット(明光社製)




これまで主に使ってきた灯体のうち、以下はそもそも防滴以上の性能があるか、防滴ではなくても雨の影響をあまり受けませんでした。




  • 防滴パーライト(松村 WPL-5)
  • ソースフォーPAR
  • 防水LED PAR
  • 屋外用ハロゲン投光器



それでも昨年までは休演日にブルーシートやゴミ袋などで防水カバーを作ってかけていたのですが、こうした経験から、今年は正直いいかな、と思って、ほぼ2週間ほど野ざらしにしていました。




そうしたら錆びてしまいました。(悲)




要因は色々あって、錆びた灯体は元々防滴ではない上に、塗装が剥げ気味だったこと、梅雨明けが遅く雨の日が多かったこと、さらに仕込み週が例年より1週間早く、灯体が晒される期間も長かったこと。また、錆びた灯体は少し特殊な位置を照らすため、若干上を向いていて、水が溜まりやすかったこともあると思います。




とは言え、本当に錆びるとは思わず、気づいた時はなかなかショックでした。しかも同機種を3台吊っているのに、錆びたのは1台だけです。




しかし、何事も経験しないと「閾値」が分からないことってあります。「灯体を粗末にしやがって」と言われるかもしれませんが、どこまでやったら「粗末」になってしまうのか見極めることもまた、灯体研究の一環だと思います。(そういうことにしておいてください)




この写真でちょうど脚立のそばにある子が錆びた子です

EXPO20 gekidanU野外本公演「インディゴチルドレン」終了いたしました。

本当に皆様、ありがとうございました。

今回も本当にやれてよかったし楽しかったです。

 

公演が実際に終わったのが731日なので、半月以上も経ってしまっており、だいぶ今更感がなくも無いですね。

 

ただ、クラウドファンディングの特典送付や映像のツイキャス配信、
データ販売の予約分送付など、一連の作業が全て終わったのが今日で、
かつ僕は「インディゴチルドレン」の翌週にシアターグリーン box in boxという振り幅がエグいめちゃくちゃきちんとした劇場でやる芝居の舞台監督の現場を入れてしまっており、
まあ死んでおりまして、こういう文章を書ける気力と体力を回復したのがやっと今日だった、という感じです。

 

回復させるべく、先週末は生まれて初めて猫カフェに(猫アレルギー克服の確認も兼ねて)行ったりしました(いけた)。

 

この夏に向けては、このタイミングで創作するのだから、せっかくだから、ということで、
企画段階から、映像配信を決め、開催にごきつけ、中止を決めた直後まで、都度都度noteにその時々のことは記して来たので、その辺りは今さら触れず、今日は作品それ自体の振り返りと今後の話をしたいなぁという気持ちでいます。

 

「インディゴチルドレン」について

 

今回の作品については今まで作ってきた野外劇に比べて、
かなり「野外劇っぽくない」芝居を作ったなぁという気持ちがあり、
実際今回は僕がそうしたくて作ったのでその通りになっただけなのだけど、
いわゆる「野外!!!」って感じの芝居じゃなかったので、
物足りなかった感じとか肩透かし感があった方もいたのかなと思っています。

 

今までは家のベランダをガッツリ使って舞台にしたり、バイクで入退場をしてみたり、
コーヒーをぶっかけたり、螺旋階段を組んでみたり、花火を使ってみたり、
派手な幕落とし屋てみたり、色々やっていたのだけど、
今回はそういうギミックみたいなものは使わず(池の湧き水くらい)、舞台の向きも今まで家を背景にしていたところから、ほぼ真逆の十字路の角を背景に作品を作りました。

また、背景を幕でなく半透明の青色のネットを張って仕切る形になりました。

 

 

この結果、だいぶ野外(家)というものが今まではすごく具象的な要素になっていたところを、
今回はあくまでネット越しの公道や住宅を背景として取り込んで、
その手前の舞台上の芝居によりフォーカスしたものになったかなと思います。
結果より会話劇の要素が高まったのかなと思っています。

 

今までのものも評判よかったし、なぜわざわざちょっとテイストを変えたんだい?というところについては、
このタイミングで挑戦しておくことは、
今後gekidanUとして継続してよりよい演劇を作るにあたって必要かなと思ったところと、
「単純にやってみたかった」というところが強いです。

 

ここ2年間ほど、夏の野外劇はあと2団体に参加いただいてフェスっぽい形にしてきました。
そのおかげで、かなりの方にこの場所を知っていただけたのかなと思っており、劇団として飛躍のきっかけになったなと思っています。

 

で、今年は久々に単独公演でやってみよう、ということで満を持してやる上で、今まで頼り切っていた「野外」という要素の比重を一度適正化して作品を作ってみよう、という気持ちになりました。

 

我々の団体の魅力とかアイデンティティはこの場所に根付いた創作やそこでの遊び心を具現化してワクワクさせること、だと自認していますが、作品の強度をしっかりと強めることも必要だと思っています。

 

野外だとギミックで作りやすいカタルシスに頼りすぎずに、強度を増していくような作品をきちんと丁寧に作ってたものをお届けしたいな、と企画段階から思っていました。

 

ある意味狙い通り、今回は野外劇であるというところだけでなく作品内容への言及も比較的多めにいただいていたので、良かった部分ではあるかなと思います。

 

もしご覧になっていなくてどんな感じか気になった方は、下記で公演のデータ販売(バックステージ映像付き)も行っていますので、御覧くださいませ。

https://gekidanu.booth.pm/items/2265817

 

作品つくりについて

 

ちょうど3月連休に他団体のProduce公演という形で僕が主演の公演を行い、
その後に本腰を入れて公演準備をしていたのですが、
この辺りからかなり状況が厳しくなっていたコロナウイルスの影響で脚本の遠藤の仕事がかなり忙しくなり、
執筆にかなりマイナスの影響が出たり、顔合わせや初期の読み合わせはオンラインで行うことになったり、
稽古中は基本マスクだったり、都度色々なことが起きて大変は大変でしたが、
まーまー座組全体として前向きにやっていけたんじゃないかなと思います。

座組もしっかりまとまっていて、稽古も凄く楽しかったです。

(なにより、この時期に野外劇をやれたことはちゃんと胸を張るべきことかなと思います。)

 

ただ、今までにない状況ゆえもありつつ、及び今後に向けて改善していきたい反省みたいなところも凄くあって、

大きなところで言うと、今回キャストに対して「線路を引いてあげすぎたかもな」というところが非常にあります。

 

前述の通りの状況だったこともあり脚本に僕が早い段階で入ったり、

いつ感染状況が悪化して満足に稽古出来なくなるかわからない、という中だったこともあり、

凄く早い段階からプランと組み立てができていて、3週間くらいで全編通せちゃうくらい、とても良い完成度で来てました。

 

加えて、舞台機構や美術、照明、音楽等劇団メンバーで担当している部分も、久々に単独公演での野外劇だったこともありサクサクと進んでいっており、順調な感じでした。

 

そうした中で、キャストさんに対して全体的に「外枠」を埋めるのが早すぎたかな、というところ、
こうした野外劇ほぼ初めてのキャストさん達に対して、団体としてこの場所でそれなりに経験を積んできた演出チームが過度に背負いすぎたのかもなという感覚があり、

もっと役者さんにある意味「不自由」とか「ストレス」とか、自分で可能性を高めたり状況の打開をしてもらう環境を作っていたら、
もっと役者さんが飛躍してくれたかもかなぁと、今になって思っています。

 

ここに関しては劇団員に役者がいないことも一つ影響しているのかもなと思いつつ、
言葉を尽くしすぎてしまう僕の演出スタイルとか、役者への信頼の表し方とか修正の示し方とか、
あらゆる面でもっと考えられるところはあるのかなとも思いますし、
責任を感じつつ、これから頑張っていきたいポイントだなと考えています。

 

今後の話と今思ってること

 

2日残しての中止を判断しつつも、それまでに来場頂いた皆様やクラウドファンディングのご支援、映像の視聴等のおかげで、

今回の上演によって今後の活動に影響が出るようなことはほぼ無く、

「次回の家公演をどうするか」を今考えている状況にあります。
8月中には一旦方針が決まるかなと思います。

 

またいろんなことを感じることになるんだろうなと思いますが、

創作できるのはとても嬉しいです。

個人的は今年10月に予定していた結婚式が飛んだこともあり、時間ができてしまっていて、

でなにかやれることやろうかな、と思っています。満を持して脚本とかかな、まだわかりませんが

 

タイトルの通り幸せなことにめっちゃ演劇した感じのする夏でしたが、

その分いろんな疲れとか、気持ち悪さとか、ぐるぐるする気持ちとか、

それはまあ背負い込んだし飲み込んだし食らったなぁと思います。

 

ただ、千秋楽になった公演の最中にTwitterでつぶやいたのですが、

「演劇の敗北」とか「演劇の死」とか、そんな話は僕にも他の人にもきっとどの場合にも当てはまらなくて、

もしかしたら何かの過渡期に僕らはいるかもしれないし、はたまた一時的なことかもしれないし、

そんな中でできることは、できる人ができる限りこの場ときちんと直面して精神に記憶して記録することかなぁと思います。

 

自分でも呆れるくらい物事を悲観しないので、僕はそれにぴったりだなぁ、と思いつつ、

疲れすぎないように、健やかに日々を過ごしていきたいです。

 

あと、もし創作の機会や場所が無くなってしんどいなぁ、という方は、

我々稽古や公演可能なアトリエ持ってたり色々揃ってたりするので、なんかやりましょう。

すごいほわっとしてるけど、しばらくはそういう人のための場所であり、劇団であることもいいんじゃないかなと思っています。

https://gekidanu.com/atelier5-25-6

 

引き続き、よろしくお願い致します。

こんにちは。照明の電気マグロです。




『インディゴチルドレン』、おかげ様で満席の回も出てきています。昨年に比べて座席数半分、かつ増席や立ち見席も無しという状況ではありますが、それでも見に来て頂けるのは大変ありがたいことです。




演出のヒガシも時々言及していますが、東京オリンピックのために用意された4連休、会場は近くにゲストハウスの多い地域でもあり、企画段階では「当日券対応」「酔客対策」とかを考えていました。まさかこんなことになるとは。




照明は仕込み増員にも恵まれ、程よく新たな挑戦を取り入れた明かりを作れています。ハード面では3階からの投光(大劇場みたいでカッコいい)、ソフト面では野外劇としては比較的繊細な演出に対応する明かり。特に演出のところは、お祭り的な粗さを排した小劇場的な演出を取り入れていて、役者さんへの負荷が大きそうだなと傍目に思いますね。




ツイッターでも書きましたが、昨日は途中で雨対策の屋根(銀シート)の端部がピロピロしてしまって、まさにそれが重要なシーンで使うスポットライトの延長線上にあるという照明的ハプニングもありました。
このままでは当該の照明が成立しないと思ったので、急遽懐中電灯でフォロースポットを入れました。こういうのも野外劇の醍醐味ですよね。




雨対策の銀シート




私は音響オペの横田さんと一緒に、2階のベランダから見下ろす形で照明を制御しています(これも大劇場の調光室みたいでちょっとリッチな気分です)。




ベランダに向かってオペする人たち




まだ来週も公演はありますし、「観たいけどこのご時世ちょっと」という方向けに、クラウドファンディング映像化プロジェクトも進行中です。注目して頂ければ幸いです。




※ちなみにタイトルの通り、どこかに180秒かけてフェードチェンジする照明があります。暇な方は見つけてみてください。







●公演詳細・ご予約 https://gekidanu.com/tomurai20




●映像化プロジェクト https://fanbeats.jp/projects/55

ヒガシナオキですこんばんは。

だいぶ久々の更新ですが、訳がありまして、

公演直後などを除いてはほぼ僕のブログみたいになっていて、

個人としての発信の場をちゃんと別に作ろうかなと思い、noteを作りました。

https://note.com/nao181715

そこにけっこうなペースで更新してるので、よかったらこちらも見てみてください。

演劇以外のこともけっこう書いています。

そこに書いた内容と同じですが、最近劇団に起きたことをまとめた記事を書いたのでこちらにも載せます。

 

ここ最近劇団として出す情報がたくさんあって、

それぞれの公開作業に追われていました。

どれも嬉しいことなので苦ではなかったし、

せっかくなのでそれぞれのことについて自分の気持ちと添えて書きつつ、

3月の公演が終わってからここまでもちろん色んなことを考えたので、個人として言いたいことを一旦まとめたりしようと思います。

①劇団メンバーが「日本照明家協会賞舞台部門 新人賞」をとったよ

 

照明の電気マグロ氏が上記の賞を受賞しました。

これは本当にびっくりしました。

彼自身の受賞については彼の照明に対する偏愛と言うべきまでの愛情と熱意を見ていたら、純粋におめでとうなのだけど、

驚いたのは、対象となった公演が、我々が拠点としている南千住の住宅のキッチン兼リビングを改造した「家劇場」での公演だったからです。

この賞、名前の通り日本照明家が毎年行っているもので、テレビ部門と舞台部門があり、舞台部門に関しては演劇公演の他にコンサートやLIVEも対象になり、昨年の新人賞の一人はSAYAIRの日本武道館公演、一昨年はセカオワの埼玉スーパーアリーナ公演で受賞しています。

そんな規模の公演と100名程度が観た東京の端っこの民家で行われた芝居が同じ賞で褒められる、というところにめっちゃ感感動しています。

我々gekidanUは、いわゆる一般の「貸し劇場」という場所でやってはおらず、自分たちで自由が利く空間を使って演劇を作っていて、結果家や野外など、変則的な公演になっています。

とはいえ、少なくとも僕個人の意識としては「ヘンなことを狙ってやっている」という意識は毛頭なく、「持続可能な形でできる限り良い環境で演劇をやる」ために選んでる手段がこれ(これに関しては最近演劇の偉い人が「国から援助をもらう」ことで劇場を守ろうとして叩かれてるのを観てて、より一層感じている、長くなるのでこのくらいでやめとく)、というところなので、「環境ありきの芝居」だと思ってはいません。

ガッツリ演出もつけるし音も鳴るし照明もピカピカします。こんなふうに。

 

 

要は色物のつもりなくやってるよ、ということなのですが、

実際観たことない人にはなかなか伝わりづらいだろうな、とは思っています。

そんな中でこの賞がとれた、という事実にかなり僕は勇気づけられています。

非協会員で普段はサラリーマンの電気マグロ氏が、さまざまな書類と資料集めに奔走し、応募したこの公演の照明が「舞台芸術」としてきちんと評価されたことがすこぶる嬉しいです。

ここ2,3年ちょくちょく「続けててよかったな」と思うことは結構あるが、その中でも有数の出来事の感はあります。

 

②新メンバーが増えたよ

 

 

かっこ付けたビジュアルですね。

昨年から制作をやってくれていたメンバーが加入して6人になりました。

当団体の特徴として、下記のような形で「みーんな基本裏方」というのがあります。

 

-遠藤遊(脚本)

-ヒガシナオキ(演出/舞台監督/役者/制作)

-よりぐちりょうた(舞台美術/Web制作・SE)

-電気マグロ(照明/アトリエ施工)

-鈴木明日歌(音楽/音響/役者)

-しろ。(制作)

 

宣伝美術以外はだいたいのセクションが揃っています。

これも「ハード」を持って活動をしている我々としての1つの特徴だと思っていて、ベストな形かなと思います。

個人的には「劇団」がやりたかったので、ここ3年で4人新たに入ってくれた今の状況はとっても嬉しい以外の何ものでもないです。

 

③「スペース貸し」を本格的にはじめました

 

「場を持っている」団体としてのブランディングと実益を兼ねて、「レンタルアートスペース」としての貸し出しを正式にはじめました。

インスタベースに掲載してます。

https://www.instabase.jp/space/4836045484

(もしコレ観て使いたいな、ってなった方は、こちらからでなく直接劇団か僕宛にご連絡してくれたほうがお安くできるのでお気軽にどうぞ)

 

今までも知り合い中心にお貸ししたりはしてたのだけど、

今後本格的に開かれた場所にしていこう、という方針です。

2年前から「家公演」という形で始めて以降、徐々に進めていた計画を形にしている感じ。

 

最近夏にやる野外劇を複数団体参加型にしてたのも、「場」をつくる、というところを強く意識していたという理由もあります。

 

61日~再開予定のスタジオが多いらしく、緊急事態宣言解除後にはじめましての方から早速申し込みが2件あり、それぞれ映像、写真撮影に使っていただきました。

「見知らぬ人に貸す」というところで、整備すべきところ気をつけなきゃいけないところがいろいろ出てきていますが、一つ一つ解決しつつ進めています。

 

④今年の夏の野外劇のタイトル・ヴィジュアル公開をしたよ

 

 

詳細情報ページ

弔EXPO’20

 

ホントに住宅街の野外劇で、毎年近隣の方々に多大なるご協力をいただいている公演になるので、このような状況の中だとなおさらきちんと説明だったり準備せねば、ということで、取り急ぎヴィジュアル面だけ、公演方針や防止対策含めた全情報公開、及びチケット予約開始は615日(月)より行います。

しかしここまで来るのでも、けっこう色んな議論をしました。

劇団内連絡はSlackで行ってますが、上記の色々含め、

それぞれがそれぞれのことを動いていることでけっこう色んな連絡が飛び交っています。

ただこの状況で仕事がめちゃくちゃ過酷なったり、減っちゃったり、個々の状況が変わったりすつことはメンバーがほぼ会社員である我々にも起きており、表立った公演が無い中でも、なかなか試されてるなという状況だったこの3ヶ月でした。

なのでひとまずここまでこれたことに安心しています。

 

今回の「インディゴチルドレン」ですが、

一言で言ってかなり挑戦します。

今まであそこで観たことある方は「ついにこうやるのか」と思ってくれるかなと思います。楽しみにしててください。

お話も、最近の爽やか路線だけじゃない感じになかなかなってると思います。結構僕の意向も入りつつ、主張をしてる作品になってくれるかなと期待してます。

 

なので、純粋にやりたいやりきりたい。

 

どうなるかわからないし抗えないものもあるかもしれないけど、その気持ちは常にしっかり持って頑張っていこうと思います。

 

応援いただければ嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

普通の舞台照明をしよう

こんばんは。電気マグロです。

 

東京のサラリーマンなので、御多分に洩れず在宅勤務体制に入っております。

こんな状況でも宅配便ちゃんと届くのすごいな。

 

そして、ヒガシも書いていましたが、いろいろな意味で「貧しい」、どっちかといえば精神とか考え方の深さ的な意味で貧しい国(政治)の下で暮らしているなと思う日々です。

 

あー、そんな話がしたいんじゃなかった。

 

 

改めまして。

アトリエ5-25-6 Produce Vol.2 犬小屋計画『一人夜明けにパンを焼く』ご来場いただきありがとうございました。

 

照明的には、今回は非常に「普通の照明」をやったんじゃないかと思います。

この「普通」が、家公演という環境を考えるとそんなに普通じゃないと思うので、その辺を話します。

 

 

演出からの要望

今回の演出家「サンいぬ」さんは、同人漫画家であり、観劇頻度は高いが演出をつけるのは初めてということで、主演でもあったヒガシを中心にgekidanUメンバーにて演出補佐的な役割も担っていました。
よって照明の演出要望についても、最初はヒガシ伝手で聞いたのですが(後にサンいぬさん本人も交えて確認しました)、
  • 朝日
  • 現実と回想との切り替えを行いたい
  • ラストの「仄青い明かり」(これはト書きに書いてあるので脚本=遠藤の指定)
くらいしか特別なことが無くて、逆に不安になりました。

というか、演劇的にはごく普通の要求なのですが、家公演というのはそもそも環境が特殊なので、たとえば「現実と回想の切り替え」のようなことは難しいのです。

 

反対に「海」のようなコテコテの飾り明かりの方は、ほとんど機材自体の効果でゴリ押ししてしまうので、家の構造に光を当てると程よく日常と非日常の引っ張り合いが取れて、簡単だったりします。

画像

 

昨年の『金星』のタイムマシンのシーンなどは典型的にそのパターンですね。効果範囲も、狭いベランダの中だけに留まっていますし。



 

そういうわけで、「こんなのでいいのかな…?」と思いながら直前まで過ごすという、何ともモヤモヤした幕開けになりました。

 

※また今回の公演期間中、仕事の方が非常に多忙を極めていたこともあり、ついに仕込み図すら描かずに仕込みを始めてしまったのも、不安要素の一つでした。

 

 

「手札」という言葉

そんなこんなで、苦し紛れにひねり出した20ch程度の照明で絵作りを開始することになりました。
間に合ってなかったのと、シーン数が少なかったこともあり、場当たりを長めに取ってもらって、場当たりしながら絵作りをさせてもらいました。

最初に一通り、仕込んだ照明を1chずつ見てもらったのですが、その時にサンいぬさんが、「この手札で照明を作るんですね」と仰ったことをよく覚えています。

照明の絵作りを見たことある方ならわかると思いますが、チャンネル単独の照明は、ほとんど何だか良く分からない、寂しいスポット的な光でしかなく、組み合わせて初めて“照明”が立ち上がってきます。

こういう断片を見て、「手札だ」とわかる演出家さんは、そんなにいないと思い、印象に残っています。

 

 

 

回想のシーン

ここからは具体的な照明シーンの話ですが、まず「回想」のシーン。主人公であるニシくんが、現実と回想を行ったり来たりするため、これを照明で表現することが必須でした。

 

ところで個人的に、回想は「赤い回想」と「白い回想」があると思っています。

専門的にいえば、①通常明かりに対して色温度を低くすることで回想を表現する方法と、②逆に色温度を高くすることで非現実感を出し、回想の表現とする方法です。

 

前者は#35、#45、#A-5、辺りで、懐かしい回想という感じ。後者は#79、#BL-1、#B-5、辺りを使い、幻想的な回想という感じですかね。

 

どちらの回想を使うかは、その時々の演出的な判断によるわけですが、今回は珍しくハード的な制約で「白い回想」をチョイスしました。

 

家に元々ある基本明かりが白熱電球のダウンライトとシャンデリアで、ベースの色温度が低めなので、これと対照的にするために、必然的に白っぽくすることにしました。

 

シャンデリアを使わずに「もう一つの地明かり」が作れるかどうか不安でしたが、昨秋に常設したダクトレールの一番端にミニフレネルを吊って#00を入れたところ、ちょうどよくフラッドな地明かりになったので良しとしました。

 

 

 

ベランダの照明

何かと毎回エモめの絵が生まれがちのベランダ部分ですが、これも今回、舞台照明的にはとても「普通」のことをやっています。

画像

#A-3を入れたFQと、LEE#201 (#B-5相当) を入れたFQを1発ずつ。それと椅子に当てる凸が1発。

A-3とB-5は若干光の方向性が違うのですが、学生劇団がよくやるA-B混色の変種ですね。そこに凸を1発入れることで「広い」〜「狭い」の軸も生まれて、いかにも演劇照明って感じです。

 

 

 

まとめ

まとまりのない文章ですが、総合して今回の公演は、家公演という特殊な環境でありながら極めて「普通の」演劇照明を実施したという感触が強く残っています。

 

これはある意味、設備改修も含めてこの家劇場という場所の使い方に習熟してきた証かなと思います。

 

逆に言えば、これからが本当の意味で舞台照明的な価値を問われる時期と言えるわけで、次回はさすがに、仕事が忙しくても図面も描かずに仕込みになだれ込むのは厳しいかな、と思っています(笑)

 

 

実は他にも、朝日・夜明けの表現の仕方とか、Philips Hueを使ってみた感想とか、色々書きたいことはあるのですが、それは追々個人ブログにでも書くことにします。

 

皆さんも時節柄、お体ご自愛ください。

こんにちは。ヒガシナオキです。

 

雪すごいっすね。昼前まで爆睡してカーテンを開けた時の「ぞわっ」って感じ、おおってなりました。

 

例にもれずしっかりと外出自粛してる(夜は少しだけ近所の商店街の経済を回している)ので、

この前の振り返りと今のこの状況に対してのこと及び、開催発表した弔EXPO20についてつらつらと書いていこうかと思います。

 

●はじめに

 

えー改めまして、アトリエ5−25−6Produce Vol.2 犬小屋計画「一人夜明けにパンを焼く」

ご来場いただけた方々、気にかけていただいた皆様、ありがとうございました。

 

 

 

3月上旬のコロナウイルスに対する政府の会見以降、

演劇に限らずたくさんのパフォーマンスアートが発表の場を失わざるを得ない形となりました。

 

我々は上記のタイミングで声明及び対策発表の上、実施をさせていただきましたが、

これが1週間後にズレていたらどうなっていたかな、自分たちで運営し、

換気等対策が完全に行える環境の我々でも、開催判断は難しかったのかなと思っています。

 

実際、今週は別の現場の舞台監督として入らせていただく予定でしたが、中止となりました。

開催できていればその団体さんの旗揚げ公演でした。

 

この状況の中でもVol.1を大きく越える数ご来場いただけたお客様に感謝申し上げるとともに、

この期間に判断を迫られた主催団体の皆さんに心から敬意を表させていただきます。

 

僕らはいろんな意味で「貧しい国」にいる、ということがはっきりわかる日々が続いていますが、

その時々に感じたことを大事にして、今後より善く生きることにつなげていきたいなぁと思います。

 

 

「一人夜明けにパンを焼く」芝居作り、演出面の話

 

ここからは「一人夜明けにパンを焼く」を主に演出面からいかに作ったか、どんなことを考えたか、

という話をしようと思います。

 

稽古序盤に下記で今回のベースになる犬小屋計画さんとの関係性とか、僕の立ち位置とか、

そういうのはここに書いてあるので参照いただければと思いますが、

今回は「漫画原作のモノを芝居にして立ち上げる」際に、

あの独特の空間でどのように考え、組み上げていったかを記します。

 

まず、今回の「一人夜明けにパンを焼く」というお話、原作の漫画では、

一人の青年「ニシ」と親友「カズ」のやり取りが軸になり、

こちらも母である「ヒカリ」も加えた「ニシ」に見えている日常の光景が、

全て病気による妄想だった、というラストになります。

 

主題は病気というより、「ニシ」が生み出した「カズ」との関係性にフォーカスされていて(作者のサンいぬさんの言う「クソデカ感情」)、

その中で時折保健師である「真崎」により客観的なアセスメント結果として現実が伝えられるような形になっています。

 

これを芝居にする、というときに、

凄く簡潔に言うと「コレ一つ間違えるとクッソつまんなくなるな」という危機感がありました。

もう少し説明すると、「原作を尊重する」を履き違えると逆に原作を汚してしまうな、というのを強く感じました。

 

という感じで、漫画⇒芝居にするときに、たくさん考えなければいけない部分はあったのですが、

特にまず考えたところは「視点」の違いです。

 

漫画では基本的に「ニシ」の一人称の視点で話が進み、

終盤になってタネ明かしのような形で「真崎」が「ニシ」の病状を職場に報告しているところや、

「ニシ」がだれもいない部屋で楽しそうに会話しながら一人でパンを食べているところが、

初めて三人称の視点で描かれることによって「カズ」と「ヒカリ」はいなかった、となることで物語が成立しています。

 

漫画における読者の視点は基本的には「ニシの一人称で見えている光景を同じように体験している」形になりますが、

言わずもがな、演劇では観客は常に定点で出来事を追うことになるので、これを行うことは不可能です。

 

これを無視して「全てはニシの妄想でした」というラストにしても、

そんなことはとっくにわかるでしょうし、「で?」となることは明白でした。

 

であるとすると、客の「視点」がどういう存在かとはっきり定義するかが何よりも大事で、

脚本の遠藤が最初台本に仕上げてきたときに、漫画の設定とセリフを大事にしすぎて、

この辺りをあまり考慮できていなかったことで凄い辛辣にダメ出しをした結果、一時期めっちゃ険悪になりましたw

 

また、その「視点」から視えるべき光景、という観点で美術も考えていきました。

 

 画像  

 

これが実際の舞台写真になるのですが、

キッチン/テーブル回り及び、上手のガラス張りのはしごの部分(元々ベランダの部分にパネルを立て、3階の窓にハシゴと台でつないだ空間)、その手前の積み重なった本と机の部分は、ある程度常識的というか、生活の営みが感じられる空間になっています。

対照的に下手手前の雑然とした棚及びボロッボロの布がかかっている奥の半開きの部屋は、局所的に全く違う雰囲気をもたらしてます。

 

簡単に分けると

キッチン/テーブル/上手が、「ニシに見えている光景」

下手部分が「第三者から見えている光景」

になります。

 

今回の観客の視点に名をつけるとすると、「万能な覗き穴」でした。

 

前述の通り、芝居の観客は、

「ニシの一人称で見えている光景を同じように体験する」ことは不可能ですが、

ストーリー上は漫画同様「ニシ」から見えている景色をベースに話が進み、

「ニシに見えている光景」=キッチン/テーブル/上手を中心に展開していきます。

なので観客の視点は「ニシに見えている光景をリビングの隅の別視点から覗いている」という状態になります。

少し説明が足りないかもしれないですが、母「ヒカリ」役にとても若い日野さんをキャスティングしたのはここに理由があります。

 ニシの妄想には一番女性として魅力的だったと感じていた時期の母親が登場しているはずなので。

 

一方で、現実の存在である「真崎」とのやりとりだったり、

「ニシ」が玄関に降りたり母と話に3Fに行ったりして際に2Fから離れているとき=客から観えなくなっているとき、

ラストの一人でパンを焼いて暗闇に楽しげに話しているシーンは、

「ニシに見えている光景」の中だけでは回収できない部分です。

 

その時に観客の視点は「リビングの隅から実際に見えているものを覗いている」状態になります。

下手部分=「第三者から見えている光景」を少し表象的/オブジェ的に立ち上げておくことで、

この覗き穴の「覗き方」変更を誘導する意味がありました。

 

普段はあまりこういうこと考えないので、いつものgekidanU作品と比べて難解さが生まれたかもしれません。

この上で、更に演劇版では「ニシから見えている光景」が「単純な過去の回想」と「現在の妄想」に何度も分岐するので、

そこは照明の変化に頼りました。ここはまた別途照明電気マグロが解説すると思うので詳しくは触れませんが、

なのでいつもより「舞台っぽい照明」をがっつりやってもらった形になりました。

 

役者としての「一人夜明けにパンを焼く」

 

前項がバカみたいに長くなってしまった

偉そうに色々解説してしまいましたが、

今回は主演だったので厳密には演出という形では入っておらず、

けっこう直前まで自分の役にあくせくしておりました。

 

何本もあのリビングで芝居はしてきたのですが、

だいたい舞監とか演出兼ねてるので、

すっごい重要な役とかながーく出てる役ってそんなになかったので、

今回70分中67分出てるような主役って全然やったこと無くて、なんだか新感覚でした。

 

また、役柄に関しても、ホント自分のパーソナルな部分と180度とは言わずとも165度くらいは違うんじゃないか、

みたいな形で、また「心の病気」という状態を具体的に所作に落とし込んでいく必要もあり、

試行錯誤感が非常に強かったですが、結果的に凄く自分の中で手応えのある芝居になったのではないかなと思っています。

 

特にやっていて感じのは、

「人とうまくコミュニケーションが取れない」状態をお芝居でするためには、

相手の役者とすっごくコミュニケーションをとらなければならないんだな、ということで、

綺麗に虚を積み重ねることで表現したい実が生まれるんだな、ということを凄く思いました。

 

役者楽しいな、もっと色々とやりたいな、と改めて思えた貴重な機会でした。

が、gekidanUでは基本あんまり役者はやらないので、

どなたか是非僕を使ってやってくださいませんか。けっこう使い勝手良いです。よろしくお願いいたします。

こんなに深い行数で言ってもしょうがないな

 

今後の話

 

ProduceVol.2の終演とともに、「弔EXPO20」の初回情報公開をいたしました。

ぼちぼち出演者全員発表できるかと思います。

 

 

ここ数年何団体かさんと演劇フェス、って感じでやってきましたが、

今回はgekidanUのみでの野外本公演を予定しています。

 

理由としては、「ちょっと一回このタイミングで力試しをしようじゃないか」

という一言にまとまります。

 

ありがたいことにこの2年ほどでかなりgekidanU、飛躍した感があります。

劇団員も遠藤と僕の2人時代から随分増え、やれることも増え、

関わってくれる人も増え、お客さんも増え、という形で、大変ありがたい気持ちです。

その中でも看板になっていた「弔EXPO」、昨年は549名という驚きの規模になり、

ここで一回単独公演をやってみて現在地を測ろうじゃないか、と思っています。

 

上記以外にも、オリンピックと丸かぶりだからちょっと複数団体開催はリスキーかも

という現実的なアレもあったのですが、まさか無くなるとは

毎年「7月最終週~81週目」でやってるので、来年も同じ時期だと結果またかぶるんですが

 

単独公演になって具体的に変わるところで言うと、

舞台の組み方に自由度が一気にでます。近年は共通のセットを3団体で使いまわしていたのですが、

それを自分たちがやりたいようにできるので、やれることの幅は広がります。

 

既にかなり色々案はでているので、楽しみにしていただければと思います。

 

公演以外ですと、アトリエの貸し出し、ProduceVol.3の募集なども引き続き行っています。

 

社会性に溢れた人間しかいないので、ぜひぜひ、お気軽にご連絡くださいませ!

 

ではでは、みなさまくれぐれもご自愛の上、また元気にお会いできますことを!

 

年末に5人全員書いて!ってなって、それきりという体たらくでございます。

すみません、2020年一発目でございます。ヒガシナオキです。

 

1月6日に諸々情報公開をしたのですが、

現状、

3月19日〜22日 アトリエ5-25-6 Produce Vol.2開催

7月末(おそらくオリンピック開会式と初日がかぶる) 弔EXPO'20

12月頭 gekidanUアトリエ5-25-6本公演

という感じでまずは予定しており、お誘いやご相談があれば随時対応していく所存でございます。

 

また、僕が客演したり、

我々が活動拠点としている場所「アトリエ5-25-6」の貸し出しをきちんと始めたりと、

つい昨日CTOよりぐちがHPを常時SSL化(ホームページをgoogleさんに認めて貰える社会性ある状態にするヤツ)したり、

けっこうトピックがあったのですが、年始めは皆生業も忙しく、発信不足で反省です。

 

アトリエの貸し出し始動は団体としての悲願だったので嬉しいし、

是非お気軽にお声がけをって感じでございますし、これも話したいことたくさんありますが、

今日は稽古がついに始まったProduce Vol.2の話をしようと思います。

 

Vol.1をやったのが昨年の11月でしたので、かなりの短いスパンでの実施になりありがたい限りです。

前回はこんな感じで、京都発のユニット「くちびるに硫酸」さんにかわいく使ってもらいました。

 

 

 

昨年は劇作家協会新人賞を取った芝熊さんの「うかうかと終焉」の再演に利用してもらうなどもありましたが、

やり慣れた場所を他の団体に使ってもらう、という経験は本当に勉強になります。

 

さて、ほぼスタッフワークに終始していた前回に比べて、今回のVol.2は「演出補佐」としてgekidanUをクレジットし、

脚本に主宰の遠藤、主演を僕、スタッフはほぼgekidanUという形で公演を行うので、がっつり入ります。

ご要望に応じて、「どの程度Produceするか」を都度調整できるところをこの企画の良さにしていければと思っていますが、

そういう意味で言うと今回はフルコミットになります。

 

今回ご一緒するのは演劇公演が初めての経験になる同人サークル「犬小屋計画」さんです。

原作となるマンガを描き、演出も担う「サンいぬ」さんは僕がgekidanUに入って最初の公演(もはや伝説となっている4年前の真冬の野外劇)

からずっと我々を観てくださっている方で、「演劇をやる側をやってみたい、やるならずっと観てるgekidanUと」という嬉しいご相談を、

ちょうどProduce企画を考えている時にいただいたことで実現をしました。

誰かの「やってみたい」を形にするという意味で、この企画の主旨そのままだな最高だなぁと思っています。

 

ただ、この話が立ち上がるにつれて、実は僕の中にちょっとどうしようかなこの気持ち、というの当初はあって、

それはサンいぬさんと僕の関係性なのですが、

サンいぬさんは上記のgekidanUの公演の前、廻天百眼に客演した時に観ていただいて、

そこからずっと応援をいただいています。いわゆる「推されている」状態ですね。

結婚も喜んでもらい、マジで孫をかわいがるみたいな感覚で応援してくれてます。

 

なので要は「自分で原作を書く芝居で推しに主役やらせる」公演になるわけです。

それはもう構図としてすごいなんか気持ちがいいなという気持ちと、そんな重荷ある?という気持ちとが駆け巡りましたが、

何より思ったのは「創作にあたって、今までの関係性とまるで違う接し方になるんだなぁ」という不安というか違和感でした。

 

当然ですが、僕自身は今までサンいぬさんと接してきた時と、稽古場なりその前後の時ではまるで様子が違うと思っているし、

それより「推している人を前にしている人」として稽古場にいてもらってしまうと困るな、他に役者もいるし、

みたいなことを失礼ながら少し考えていて、

「マジで一人のファンを無くすつもりでやろう」と勝手に肝に銘じたりなど、昨年内くらいは考えていました。

 

しかし現状、完全にそれが杞憂であったことがわかっています。

「良い作品」に向けて、同じ方向を向いて他の役者さんとともに対等な目線で創作を続けています。

芝居に対して何を良いと思うか、などのある程度の共通言語があるのでやりやすいし、楽しいです。

なんとなくこれが終わっても何も変わらず推し続けてくれるだろうな、と思っています。不思議な言い回しだなこれ。

役者さん3名、鬼塚貴彬さん、日野あかりさん、きだたまきさんも最高でございますね。

本当に南千住で民家で行われる怪しげなオーディションに来てくれてありがとうございました。感謝感謝。

 

あと、何せgekidanUフルコミットなんで、美術や照明プラン含め色々考えております。お楽しみに。

脚本も、初めての経験である原作からの脚本化に遠藤だいぶ苦しんでましたが、

普段のgekidanUとは違う部分や、彼のバックボーンや今置いている状況を反映した内容になっています。

稽古中にチューニングをかけていくのがgekidanUのやり方ですが、今回はそこにサンいぬさんの観客に寄った視点が添えられて、

いつもよりエキサイティングな感じになっています。

 

なので、馴れ合いのオナニーみたいな芝居にはしないことは間違いなく約束できます。

共通の知り合いもいるし、一応ね、宣言です。

 

まだ1ヶ月以上ありますが、2割くらいのお席が埋まっていてありがたい限りです。

ありがとうございます。

物理的に席が作れない会場になりますので、ご検討はお早めにいただけると嬉しいです。

よろしくお願いいたします。

 

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アトリエ5-25-6Produce vol.2

犬小屋計画 「一人夜明けにパンを焼く」

 

原作・演出;サンいぬ(犬小屋計画)

脚本;遠藤遊(gekidanU)

演出補佐;gekidanU

 

夜は今日も眠れない。

夜勤明けの親友のために、病気がちの母さんのために、

一人夜明けにパンを焼く。

 

カーテンは開けない。

 

朝日を浴びて普通に生きていくことが、

僕には難し過ぎるから。

 

アトリエ5-25-6produce vol.2は、

同名漫画作品をgekidanUの全面バックアップにより舞台化した、

「犬小屋企画」初の演劇公演。

 

出演

ヒガシナオキ(gekidanU)

鬼塚貴彬

日野あかり

きだたまき(ちち不在。)

 

会場:

アトリエ 5-25-6(荒川区南千住5−25−6

 

日時

2020

3月19日(木) 19時〜

3月20日(金祝)  14時〜 19時〜

3月21日(土) 14時〜 19時〜

3月22日(日)  12時〜 17時〜

受付開始/開場は開演の30分前

 

料金

予約・当日共に 2,000

 

予約URL

ご予約はこちらから

 

スタッフ

企画統括 遠藤遊(gekidanU)

舞台監督 ヒガシナオキ(gekidanU)

照明 電気マグロ(gekidanU)

美術 よりぐちりょうた(gekidanU)

音楽/音響 鈴木明日歌(gekidanU)

原作補佐 むーちゃん(犬小屋計画)

制作 しろ。

宣伝美術デザイン サンいぬ(犬小屋計画)

宣伝美術レイアウト あきやまみ

gekidanU主宰遠藤遊でございます。

今年最後の手記。年末のご挨拶でございます。

今年の頭くらいに
親父からダブルレザージャケットを貰いました。
1度も袖を通してないレザーはガッチガチで
20年前くらいの型だから、肩幅も昔使用のゴツゴツ。
細身の僕が着ると、絵に描いた「服に着られている」状態でした。

ググると「レザー ダブル ダサい」
みたいのが検索に出てくるぐらい別にトレンドではないんですが
来年で27になるから、
なんかどうしても着られている感が悔しくて
革が似合う大人になりたくて、憧れがあって
寒くなる前の10月くらいに「このダブル着こなしてやる」と色々調べ始めました。

とにかくまずはガッチガチの革を柔らかくしないと話にならない!
調べてみたけども
やっぱりネットの海にも口うるさいマニアは結構いて
これはダメだ。あれはダメだ。と結局、一体何が正しいのか…。

まぁ色々行き着いて
オイルを購入。
塗りたくってみたけども
まだまだ…
まぁそんなこんなで
タブーと言われている洗濯、乾燥機、中生地を全部切ったり
多分見る人が見たら怒られるやり方で、今年の冬から着始めました。

革は着れば着る程、身体に馴染んで
服が形を覚えていって、更に柔らかくなります。

2019年
劇団として団体として馴染んだ1年でした。
所謂「劇団」「小演劇界」みたいなところからは外れているかもしれませんが、
別に洗濯機で洗ったって、中生地を切ったって、いいじゃんかって思う訳です。
僕らは型破りな事を敢えてやる団体ではありません。
ただ今ある手札で、今1番似合うものを作りたいなと常々思っております。
手札が少々特殊でジョーカーじみたものばかりなので、変な劇団だと思われていますが、
とにかく大切なのは無理をしないこと。5センチ以上の背伸びをしないこと。
「消極的だな」「劇団やる意味ある?」「作品作る意味ある?」そんなことを言われる事もあります。

でも僕らはオーディションに来てくれた役者の時間も体力も交通費も精神も心も削って
大切な人、認めて欲しい人、演劇を反対している家族、口説いている女の人とかに
役者は高いお金を払ってもらって、そして見せる。
それが演劇の普通で、プレッシャーとか結構エグいし、大切な人にどう思われたって誰のせいにも出来ない。
遠い場所に足を運んで、不確定なものにお金を払う程、みんな余裕はない。
それでもたくさん呼んでくれるから、gekidanUの今年の動員数は過去最高でした。
これは本当に役者さんのおかげです。

例えば…
チャレンジして失敗して正解とか崩壊こそが美学だみたいな
そんな主宰、脚本、演出の勝手な精神論や
団体としての失態を隠すような言葉で稽古を進めて
「つまらなかった」「よくわからなかった」「役者ってなんなん、ダサいね」「どうせ趣味でしょ。本気じゃないでしょ」
そう思わせるわけにはいかない。

過去僕と一緒に作品をつくって、そんな想いにさせてしまった人もきっといて
未だ僕は残念ながら「遠藤遊」だけで検索される脚本家じゃないし
gekidanUも団体名だけで人がわんさか集る団体ではないです。

だからこそ、コツコツ、2020年も
似合ったものを、確実なものを
5センチギリギリを狙って、
形は変えつつも、
身体に馴染んだものを
作っていけたらと思っています。
目標はひとまず、50キャパの野外劇場、30キャパのアトリエ5-25-6で
チケットの取れない劇団にする事です。
先は短い様で長いかな…がんばります。

ですから、2020年
これを見たまだ出会った事ない役者さん、役者をやってみたい中学生、高校生、
サークルでくすぶっている大学生、若い劇団がどんなもんかって思っているベテランの方も
是非、是非見に来て下さい、そしてオーディションに来てみて下さい。そして力を貸して下さい。
絶対に後悔はさせません。gekidanUの最初のクライアントは役者です。たくさんの人に出会いたいです。

レザージャケットが似合う大人がかっこいい!
そんな僕です、今風ではないかもしれませんが、
きっとたくさんの人に出会う事でしか、僕は成長出来ません。

軸として、
物語として、
言葉として、
作品の魅せ方として、
なにより先10年20年続く団体として
僕の憧れを叶えてくれる

ヒガシナオキ
よりぐちりょうた
電気マグロ
鈴木明日歌

彼ら仲間には心から感謝しています。
主宰として僕も彼らがやりたいことを叶えてあげたいと、そう思っています。

長々とすみません。
最後になりましたが
2019年gekidanUに関わっていただけた全ての人へ
本当にありがとうございました!!
役者さん目当てで来ていただいたお客様。オーディションに来てくれた役者の皆様。
関わっていただけた団体の皆様。南千住の皆様。エトセトラ。
この場を借りて、お礼を言わせて下さい。本当にありがとうございます。

東京オリンピックが始まり、そして終わり
日本、東京、南千住が変われば
僕らの環境も何か変わっていくかもしれません。

もしかしたら衰退していく環境だとしても
改めて演劇をやる意味、役者がいる意味、僕らがいる意味を
探っていけたらなと思っております。

全ての皆様、これから出会う誰かにも、
来年もどうぞよろしくお願いします!!

gekidanU遠藤遊





30日までに投稿する予定がいつのまにか大晦日を迎えていました。




gekidanUで楽曲制作や役者を務めます鈴木明日歌です。




劇団員とてはもうすぐ1年、この劇団に初めて関わって2年半が経ちます。




わたしの視点からgekidanUでの2019年の出来事を振り返ったり、これからのことを考えたりしてみたページです。




鈴木明日歌と別の場所で関わっている人も、gekidanUについて、アトリエ5-25-6について、ちょっとでも興味を持ってくれればうれしいです。




1月に鈴木が加入したのと同時期に、南千住の劇場が「アトリエ5-25-6」と名付けられました。




演劇以外の表現活動でも利用できる場所を目指して、3月には第1回家ライブ『誕生日と花曜日』を開催しました。




自分が普段参加している、ライブハウスやライブバーでの演奏とは異なり、場所も時間も自分で作ることから始めるのは苦難もありましたが、劇団スタッフやバンドメンバー、共演者のみなさんの協力あって




普段ライブハウスに行かない人も、またはライブハウスの雰囲気にすこし疲弊してしまった人も、おもしろがってくれるような空間が作れたと思います。




続けていくためにまだまだ課題はあるけれど、視野が狭くならないように楽しめる形を探していきたいです。




 








 




4月末から5月にかけて行われた家公演『金星』では、本作のための同タイトル楽曲を書き下ろしました。




2017年に出演したgekidanU作品『セミとカメレオン』でも、作中歌を弾き語りましたが、物語の登場人物に自分が変身しない状態で、脚本を読んで、劇中歌を制作したのは初めてのことでした。




歌詞よりも先に、音の質やタイミングを重視して取り組んだのも初めての挑戦でした。




役者さんの声や動きによって、自分の楽曲が物語の中で生きているのを観られたこと、更にそれを劇団単独公演では最高動員数となる数のお客さんに観てもらえたことで、かつてない喜びに出会えました。




 




 






2年ぶりに役者として参加した8月の弔expoでも、野外で猛暑の日や天候が不安定な日もあったのに、たくさんの方が観に来てくれました。




芝居の基礎的な部分、理論的な部分をすっとばして芝居に参加していることを改めて実感し、恥ずかしく感じたりしながらも、共演者のみなさんから毎日刺激を受けながら、この劇団で自分が果たせる役割を以前より掴めた気がしました。




2年前に感じた、特別な夏休みを以前より内側でその一部として動きながら感じられました。




観客のみなさんともその空気や時間が共有できていたようで、反響をもらえて嬉しかったです。




 












楽曲提供については、5月の家公演を経たことでプロデュース公演『あの星にとどかない』でも、自分のイメージする音を発見することや重ねていく楽しさ、脚本演出の方とイメージを共有する楽しさを体験できました。




このプロデュース公演では、初めて音響機器の仕込みと音響操作も担当しました。衣装、舞台美術、照明、脚本ともに自分が心惹かれる世界観が出来上がっていく中で、毎回ものすごい緊張感で正解を探し出し、叩き出していくこの作業が、実は今年最も「演劇」の生感を感じた時間だったかもしれません。




感謝です。




 












書いてみて気づきましたが、2019年はgekidanUにとっても、鈴木明日歌にとっても初めての試みをたくさんできた1年でした。




3月末に、不注意で手に怪我を負って周囲に迷惑をかけてしまいましたが、それがきっかけで、バンドでも一人での活動でも、ギターだけでなくシンセサイザーやループエフェクターを使った演奏・録音を始めました。




生まれた楽曲をgekidanUを通じて多くの人に聴いてもらい、反響をもらえたことで、これからの活動が拓けてきたと感じています。




下記URLから、今年劇団で手掛けた楽曲をはじめとした鈴木明日歌の楽曲、参加バンドの楽曲が聴けますので、まだ聴いたことのない人はぜひお聴きください。




https://soundcloud.com/user-374791197-137950772




 




https://linkco.re/Sa6XZHS9




 




来年は、自分の楽曲を聴いてもらえる場所を広げつつ、作品やパフォーマンスを発表する場所を探している人に、アトリエ5-25-6を知ってもらえるような活動を、もっと模索して試みたいです。




アトリエ利用に関する些細な質問も、鈴木の出演や制作の依頼もお受けしますので、個人のtwitterアカウントやメール、gekidanUのメール、どこからでもご連絡ください。




関わってくれた役者のみなさん、他団体のみなさん、観に来てくれたみなさん、南千住の街のみなさんのおかげで大きな1年にすることができました。




ほんとうにありがとうございます。




そして、舞台制作や音響のお手伝いをしてくれる方々も含め、優しく優秀なgekidanUメンバーにもこの場を借りて




いつもありがとうございます。




 




精進しますので、これからもどうぞよろしくお願いします。




よいお年を。




 




  










 

大人の秘密基地(よりぐち)

舞台担当よりぐちです。

今年も各種公演・イベントに足をお運びいただきありがとうございました。

仕込みの時にぽろっと話したりもしていたのですが、

5-25-6でモノを作っている・仕込んでいるときは、小さい頃に秘密基地を作っていた感覚に近いなと思いながら作業をしています。

他の劇場で作るときとは違い、あの場所の特性を利用しながらその場で判断しながら作ることが非常に多いです。

例えば家公演の「金星」。

ハケ口を3階の窓に設定していたのですが、上から見るとこんな感じです。(あまりいい写真でなくて恐縮ですが)

窓上部の出っ張っている部分に平台を引っ掛けつつ単管で補強したうえで、

左側に見える室外機に足を引っ掛けて3階窓まで到達する、という仕組みになっていました。

これって、小学生くらいのころに、木がちょうど枝分かれしている部分を利用して棒をひっかけるだとか、

切り株的な物を椅子として利用し、拾ってきた机をおいたりするだとか、そういったことと何ら変わらないのかな、と思います。

裏では家の図面を書いたり3Dモデルを作ったりしていたのですが、

上のモデルを見ていただければ分かる通り「劇場」としてはクセが強すぎるのは当然のこと、「家」としてもかなり尖った空間です。

家公演に本格的に携わるのは去年夏・今年春・今年秋のまだ3回ではあるのですが、良くも悪くも5-25-6は、秘密基地のポテンシャルを持った空間だと強く感じる一年でした。

今年は、個人的には「家を使う」というところをとりあえずやってみて、この空間のポテンシャルを少し理解できたので、

来年はそれを生かしご、来場いただいた方や、演者さんをワクワクさせられるような空間づくりに邁進していきたいと思います。

いくつになっても「秘密基地」はときめきますよね。

来年もよろしくお願いいたします。